ニアミス

レジ打ちしながら、客が引いた後での雑談。その一部。
「今日はなんだかいつもより人が多いわー」
「そうなんですか」
「日曜って比較的暇なんだけどね」
「へぇ。普通とは逆ですね」
「そうそう。でも今日はなんだか、アニメっぽい紙袋持ってる人が多いけど、なんかあったのかな」
「ぇっ。あぁ……そーですね」
「オタクっぽいねーああいうの。ていうかオタクか」
「そうですねー」
「君、ああいうの好き?」
「いやー全然。普通ですよ」
「そうだよねー。あそこまでいっちゃうと、もう戻れないって感じだよね」
「そっすねー。やっぱ、駄目っすよねーあーいうの」
「今日ってなんかあったのかなー」
「あーコミケってやつじゃないですか。知りませんけど」
コミケ?」
コミックマーケット。いや良く知りませんけど」
「あーなんか聞いたことあるわ。だからかぁ。大井町でやってるのかな」
「いやー確か……有明だったような気がします。いや、知らないですよ?」
有明かぁ。あ、そっか、臨海線でいけるからかー。なんか詳しいね?」
「いやぁ全然。普通ですよ。なんか、友達がそんなようなことを言っていたような気がします。僕は何も知りません」
「そっかー。楽しいのかねー」
「20万人以上来るらしいですからねー」
「へぇーすごい詳しいじゃん。オタクばっかだー」
「それも聞いたんです。ほんとです。でもやっぱり、楽しいんじゃないですか?そんなに行くって事は」
「そうかもねー。でもさ、見せびらかす物じゃないよねー。第一かっこよくないじゃない」
「そうですねー……まぁオタクってのは楽しければいいんじゃないですか?彼らの考えることなんて判らないですよ。はっはっは」
「そうだねぇーあはは〓。でもやっぱ詳しいね」
「いや、だからですね、友達がそうなんですっ!」
「またまたー。そんなムキにならなくても」
「僕は違う!」
「うそばっかー」
「僕は悪くないっ!!」