我が家の猫さま

はじめに言っておくがよくある事ではある。猫がねずみを捕まえてきた。捕まえてきたというか、風呂入って部屋に戻ってきたらねずみの死骸が落ちていたって感じ。その部屋で寝てる姉がすげー切れる。寝れないジャンッ!ボケバカシネデテケーって感じ。猫は基本的に懐きはすれど従いはしないので怒られてもなんのその。なんとなく自慢げですらある。自分のことくらい自分でやれよ、と心の中だけで(そして論点も不明だ)ぼやきつつ結局は俺がねずみの死体を棄ててくる。
猫は本当によくセミとかトンボとか小鳥なんかを捕まえてくる。特に夏は酷い。鳥くらい大きいと弄ぶだけだが、虫なんかはペロリといく。そして結局は俺が残骸を棄てる……。17分割もどきの死体を手に「おまえを憐れに思ってやれる俺が一番憐れだよなぁ……」とかなんとか、ゴミ箱に棄てる瞬間にふと考える。あぁ無情だ。無茶苦茶かわいい顔してあっさりと生き物を殺せる。「人間なんてめんどくさいだけよ」とか、きっと思ってるに違いない。我が家では猫さまが一番偉いのか。
ところで、ねずみを弄んだあの口と爪で俺は何度も噛まれ引掻かれているんだが……。