デジタルコンテンツ時代におけるDRMの扱い方

デジタルコンテンツが増えていくと、それを取りまとめ、閲覧し、整理して、自分で好きなように編集できるホームサーバが必要になってくる。そのホームネットワークの中心に何が来るのかという問題は、リビングにもPCを置くのか、それとも今ある家電を拡張してやらせるのかというwhich?の問題である。そしてこの差がDRMの考え方の違いでもある。PCハードウェアにおいて米国に大きく差をつけられた日本は、デジタル家電を推進してリビングの覇権を狙っている。
DRMの前にデジタル放送について簡単に経緯を話しておくと、NHKは当初よりデジタルハイビジョンを独自開発し推進してきたのだが、アメリカへ技術提供するも裏切り(に似た行為)によってNHKハイビジョンはアメリカでの標準規格から外されてしまう(衛星を使わなければいけないという点は、同意できる確かな不満だが)。アメリカは標準仕様を一つには決めずに、幾つかの地上波デジタル放送技術を選ぶと、後は市場競争に結果をゆだねた。
もともと日本はNHKへの高い満足度によってアナログ放送で十分であったが、アメリカは受信精度の地域格差やチャンネル数への不満が大きく、通常放送以外にローカルTV局やケーブルTVの加入率が日本よりも非常に高い。デジタル放送はこの格差を縮めるため、またより高解像度への対策として脚光を浴びたわけだ。これらにより、アメリカでは日本より何年も早くデジタル放送が開始される。
さて、話をこのデジタル放送でのDRMに戻す。日本は米国での先例を見てコピーワンスでいこうと判断したわけだが、「実は、決断するには早すぎたかもしれないぞ」という話だ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0428/high37.htm
例えばSONYは、次期PSに使われるCELLを家電にも適用させようとしているし、PSP用に用いられる独自メディアUMDには圧倒的とも思えるDRMを施している。デジタル放送はコピーワンスであるため、PCで見た場合DVD-Rなどに落とすことができない。(*追記 あくまでコピーであって、ムーブは可能。ただしできないものもあるらしい。ボーダをどこに置くかはいろいろ案があって微妙)
重い枷をつけた日本のDRMだが、目的はあくまで「良質のコンテンツを作り出せる環境」と、「健全な消費活動」のバランスである。後者を重く見過ぎた結果、前者をないがしろにしては元も子もないが……、さて。